年を重ねても幸せに働き続けるには

キャリア

長年通っている整体院が今年で閉店することになりました。オーナーが体調を崩し、今年の初めからスタッフが1人で施術をしていたのですが、その体制では継続できないということで閉店することを決めたそうです。

オーナーは50代半ばの女性。ゴットハンドで人柄も良く、口こみでお客様が絶えず予約の取れないお店でした。とてもお客様思いで、体調不良を訴えると早朝や夜遅くでも施術をしてくださる方でした。

今回、閉店の話を聞いた時
「彼女のビジネスは三方良しでなかったのだな」と思いました。

三方良しとは「売り手よし、書い手よし、世間よし」という近江商人の精神です。売り手(自分)と買い手(相手)がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるという意味です。

三方良しという言葉を使う時、売り手(自分)のことばかり考えず、お客様や社会のことを考えるようにとの戒めの言葉で使われることが多いのですが、彼女の場合はその逆でした。お客様や社会のことを考えすぎて、自分を疎かにしていたのではないかと思います。

忙しい時期は朝の5時半から夜の24時まで予約を入れて施術していました。私もぎっくり腰になった時や仕事で遅い時間にしか行けない時には、早朝や夜遅くに施術してもらっていました。今思うとそんな時間にしか施術に行けない働き方をしていた私の働き方も問題だったとは思いますが…。

「休みなく働いて体調は大丈夫ですか?」と聞いたことがありますが、「お客様が大変な時に休むわけにはいかない」といつもお客様第一主義でした。

お客様の事を考えるというのは素晴らしいことですが、それで自分が体調を崩してしまったら、お客様も自分も幸せになれないですよね。
結果、お店を閉めることになったら最終的にはお客様のことを考えているということにはならないかもしれません。
決して彼女を責めているわけではないですし、彼女のお客様に真摯に向き合う姿には本当に尊敬の念を抱いていました。ただ今回の閉店という結果が残念すぎて、もっと彼女が自分の体調のことを考えていたらと思わずにはいられないのです。

昔、「24時間戦えますか?」という健康ドリンクのCMがありましたが、彼女はまさにそのような働き方でした。それが良いと言われる時代もあったのかもしれません。100歩譲って若ければそんな働き方もできるのかもしれません。仕事を覚える時期はそれでも良いのかもしれません。

でも、そんな働き方は続かないですよね。
彼女の場合、サステナブル(持続可能)な経営の仕方、働き方ではなかったのだなと思いました。

年を重ねても働き続けるには、自分のことだけを考える働き方がだめなのはもちろんのこと、自分のことを考えず相手のことだけを考える働き方もだめ。
自営業でも会社員でも、「売り手(自分)、買い手(相手)、世間良し」の三方良しな働き方でないと続かないと、今回の件で改めて感じました。

かくいう私の働き方、生き方は「三方良しになっているか?サステナブルか?」と問われたら、胸を張ってYESとは言えない状況です。

「年を重ねても、社会に貢献しながら幸せに働き続きたい」と思っているので、明日からとか来年からなどと言わず、気づいた今日から三方良しでサステナブルな働き方にしていこうと思いました。

24時間戦う世代の方、家事や育児に忙しいワーキングマザーの皆さん、一歩立ちどまって自分の働き方について良かったら考えてみてはどうでしょうか。

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